創業の頃から大切にしてきた起業家精神

私の就職活動時代、司法試験に全総力を費やしたため、18歳で進路を法学部に決めたときから就職活動がスタートでした。当時はIT業界などはまだまだ魅力もなく、ウィンドウズ95が発売されたくらいの状況の中、司法試験勉強に日々時間を費やしたため全く興味関心もありませんでした。

しかし、26歳まで司法試験に挑戦したものの合格できず、毎日10時間以上続ける勉強にも終止符を打つ時がやってきました。それまでは司法試験で合格し弁護士になることこそビジネスマンのゴールと考えていた私が、別の業界を探さざるを得なくなったのです。そして、2000年のITバブル崩壊後もITは成長する、と感じ成長産業でこそ身を置くことが正しいのでは、と知ったのです。そこで就職した会社では社長は20代で、社員も同じく20代が多く夢と希望に満ち溢れ仕事をすることができました。

人より努力を重ね、寝食を忘れるくらいに仕事に没頭したおかげで、仕事をどんどん覚え、さらにまた仕事を任せてもらい、信頼を社内外で勝ち取り、良好な循環が回り始めました。弁護士になって法律を使い顧客にサービスを行うことも、ITを使って顧客にサービスを行うことも全く同じであって、自分にとってはパフォーマンスを最大限に発揮できる場所で働くことが幸せだと悟ったわけです。そして30歳で会社を興しました。

ゼロから事業を作り上げてきた経験と自信こそ、自社の強み

2008年、金なしコネなしで1人でスタートしたクレアネット。出資金は100%自分で、傘下に入ったわけでもなく誰かの協力があったわけでもなく、まさに徒手空拳でスタートしましたが、起業前から必死で考えある答えを導き出してました。

「金を追わず信用を追うことが王道」

私はIT業界自体が成長していて、どの企業もITビジネスモデルの本当の可能性に気づいていない、のが現状であってそこにこそチャンスがあると思ってました。顧客満足獲得できるITサービスがあれば、どの企業でも重宝される確信、事業成長の光でした。

そこで行ったのは電話リストから、自分で新規営業アポイント電話を行い、アポを取れば訪問した企業様に積極的な提案を進めました。提案内容は、
「無料でサービスを行います、完成後満足なら取引先を紹介してください。
その取引先にはお金をもらいます」という営業内容です。まずは金よりも信用を得たいので試しに使ってください、使った後には胡散臭さが払拭されると思いますので。

新規アポイント電話を行い、無料販売営業活動、無料受注から実作業にかかり、完成まで至ると、確実に顧客満足を得ることができたので、あっという間に評判をよび、よい評判が広がり仕事が増え取引先が増え、忙しくなってしまい、新規電話営業もできなくなりました。

ご商売というものはお金を追うといけない、信用第一である、昔からある古臭い言葉ですが人間が営むものがご商売であり原点である、これは今でも大事にしています。

新規電話営業や、訪問でのヒアリング、提案書作成からプレゼン、受注後のディレクションを自分で行い、デザイン・システムを自分で組み、顧客満足を提供できたという経験、そして自分の手で事業を立ち上げてきたという自信こそが、次の挑戦に立ち向かう原動力となり、最大の武器となっています。

ビジネスは最高の楽しさがある、価値観を共有し成長を

私はサッカー、野球、マラソンなどスポーツが大好きですが、仕事というものはスポーツの感覚に近いものと考えています。たとえばサッカーのメッシ選手にとってのサッカーが仕事であって仕事でないように、ビジネスは最高の楽しみだと思っています。

ただ、遊びのスポーツとは異なり、仕事でお金が発生する以上は、プロビジネス選手であり続けないといけないと思っています。

もちろん仕事をエンジョイする意味は重要と考える一方で、ビジネスでも勝たなくては意味がないとも言えます。ビジネスに対しても、顧客満足を得る、ライバル社に勝つ、勝利する意識が重要だと思います。こうした価値観を共有できる人と一緒に仕事がしたい、と考えています。

1日10時間以上勉強に没頭していたとき、合格したいという大きな夢があったので苦痛に感じることはありませんでした。そして今ビジネスになると、どうすれば目標達成できるのか、実行方法は何か、代替案はあるのか、思考には限界がありません。また、目標をクリアできなかった時に「ここまでやったから」と自分に言い訳するのではなく、「どうすれば達成できるか」を考え、そしてまた挑戦する。思考を重ねながら戦略を練り、自社のリソースを強化しつつ成長させていく、まるで戦国シミュレーションゲームのような面白さ、スポーツのようなビジネスの面白さがあると思っています。

ビジネスというフィールドで、クレアネットで活躍する1人1人がイキイキと活躍し、成長できるサポートをしていきたいと思っています。